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中小企業の退職金制度を検討してみませんか?

2023年04月26日

 

大企業を選択する理由のひとつに福利厚生が完備されている事があります。

 

その中でも退職金制度は中小企業で働く者としては羨ましいものです。

 

近年、中小企業でも長く働く社員のために退職金制度を取り入れる会社も増えてきました。

 

今回は中小企業の退職金制度の中でも広く活用されている中小企業退職金共済についてまとめました。

 

是非、御社の参考にして下さい。

 

 

退職金制度とは

 

退職金という言葉で一括りにしていますが退職金制度は大きく分けて4つの種類があります。

 

主に退職一時金・退職金共済・確定給付企業年金・企業型確定拠出年金という4つの種類になあります。

 

退職金の受け取り方は、すべての退職金を一括で受け取る「退職一時金」と、60歳以降数年間にわたって分割で受け取る「企業年金」の2パターンがあります。

 

一般的に、大企業は退職一時金と企業年金のどちらも受け取れる場合が多く、中小企業は退職一時金のみとなっている場合が多いといわれています。

 

 

中小企業退職金共済(中退共)

 

とくに中小企業が退職金制度の導入を検討する候補のひとつに、中小企業退職金共済(中退共)があります。

 

中小企業退職金共済(中退共)は従業員が加入できる制度で、独立行政法人勤労者退職金共済機構 中小企業退職金共済事業本部が運営する、中小企業のための退職金制度です。

 

中小企業退職金共済(中退共)に加入できる企業(共済契約者)は、業種ごとに資本金・出資金の額か、従業員数のどちらかの基準を満たす必要があります。

 

 

①一般業種(製造業・建設業等で常用従業員数300人以下、または資本金・出資金3億円以下の会社。

②卸売業で常用従業員数100人以下、または資本金・出資金1億円以下の会社

③サービス業で常用従業員数100人以下、または資本金・出資金5,000万円以下の会社

④小売業で常用従業員数50人以下、または資本金・出資金5,000万円以下の会社

 

になります。

 

 

掛金設計と給付の仕組み

 

中退共は毎月一定額の掛金を納めることで、将来の給付の原資を増やしていきます。

 

掛金は5,000円から30,000円まで設定することが可能です。

 

5,000円から10,000円までは1,000円刻み、それ以降は2,000円刻みの16種類に分かれており、いずれかを選択します。

 

短時間労働者についても適用できるのが中退共の特徴で、2,000円、3,000円、4,000円の掛金を設定することもできます。

 

 

一般的には新入社員がX円、係長がX円というように等級に応じたルールを設定し、退職金規程等でこれを定めます。

 

給料がX~X円の場合は掛金X円と定めるケース、勤続年数に比例して掛金を定めるケースなどもあり、各社の実情に応じて決定します。

 

給付は退職金(一時金払い)ですが、一定の条件を満たせば、分割して受取ることも可能です。

税法上は、退職金(一時金払い)の場合は退職所得控除、分割受取りの場合は公的年金等控除の対象となります。

 

なお、退職金制度をベースとしているため、60歳に到達していなくても中途退職時に受取ることができます。

 

給付額は、過去の掛金納付履歴と、過去の期間ごとに応じた利息を付与して支給されます。

 

また、運用の状況によっては付加退職金が上乗せされます。

 

 

中小企業退職金共済のメリットとデメリット

 

中小企業退職金共済のメリットとしては前述したように中退共は、掛金を支払時の損金とすることができる事です。

 

また、退職金は一時払いで受け取ることもできますし、一定の要件を満たしていれば本人の希望により全部または一部を分割して受け取ることができます。

 

他のメリットとして掛け金は損金として節税効果があります。

 

従業員への退職金は、原則としてその全額が損金として認められます。

 

ただし、退職金は退職時に一度に支払うものですから、一時に多額の費用が発生してしまうことになります。

 

この退職時に発生する多額の費用は、中小企業の場合にとって大きなインパクトを与えることになりかねません。

そこで、一時に多額の費用が発生することを回避するために中退共に加入すれば、徐々に退職金を積み立てることができ、毎期の費用にすることができます。

 

運用上のメリットとして中退共の毎月の掛け金は、口座振替で納付することができます。

 

また、加入後の面倒な手続きや事務処理なども必要ありません。

 

従業員ごとに納付状況を確認することができ、退職金額については事業主にお知らせが届くので、楽に退職金の管理を行うことができます。

 

 

デメリットは一部の従業員だけ加入させるということはできず、原則として全従業員を加入させる必要がある事です。

 

事業主や役員は加入できませんが、使用人兼務役員として賃金の支払いを受けている場合は加入することができます。

 

他のデメリットとして支払った掛け金は戻らない事があります。

 

掛金は従業員ごとの「契約成立日」の属する月分から「退職日」が属する月分まで納付します。

 

そして、中退共が従業員個人の退職金に充当されるものであることから、支払った掛金は会社に返却されることはありません。

 

また、従業員の勤続期間が2年未満だと元本割れをしてしまう事は注意が必要です。

 

掛金の納付が1年未満の場合は、退職金は支給されません。

 

元本割れしないためには、2年から3年6カ月の加入が必要です。そして、3年7カ月から掛金相当額を上回る額を受けとることができます。

 

 

まとめ

 

退職金制度は会社の体力を削るので不要という考えの経営者も多いです。

 

しかし、中小企業はただでさえ良い人材の確保が難しいのが現状です。

 

働く社員の安心や転職や離職を防ぐという意味でもトータルで退職金制度を考える必要があるでしょう。

 

何事にもメリットとデメリットがあります。退職金制度もしっかりと会社経営と同列で考えていきましょう。

 

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

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